知らない

 

君に出会ってから 8年も経ったんだから 

僕らはきっともう 完璧な立派な大人よね

君のささいな変化に 気づいたとしても 

何も言わないでいる それだけが僕の優しさよ

 

どんな時も一緒にいて 何でも知っているはずで 

本当はお酒が弱いとか 本当はあの子が好きだったとか

 

それでも、それでも、知らない素振りをしていたの

知らずにいる間は そばにいれると思ったから

それでも、それでも、知らない素振りをしていたいの

僕が知っていることも 知らないままでいい

 

君らしくはなかった “おそろい”みたいな指輪 

聞いてほしいんでしょう?

だけど僕、何も聞かないよ

 

「誰にも言えないことでも、話してよね」って言葉に 

甘えていたのは僕だけで 君は何も言わないんだね

 

それでも、なんにも、君は知らないままでいいと思う

そんなこと言えばきっと、嘘になるのかなぁ

それでも、それでも、知らない素振りをしているの

僕が泣いていることも きっと君は知らないのさ

 

僕がずっとここにいる理由を 君は知らない

君がずっとここにいてくれる理由を 僕はわかんないよ

 

知らないままでいたかった あの子のことも 

知らないことにしたかった